Hはかく語る#08.切り替える

レッスン風景

未だ宮里藍さんが現役のころ、とあるインタビューで言っていた。

『パットに向かう時、グリーン手前に一本のラインが見える。そのラインを踏み越えた瞬間に戦闘モードになる。』と。

記憶で書いているから正確ではないが、言いたいことは合っていると思う。

ゴルフのラウンドは長い。その間、集中し続けることは不可能だし、もしそんなことをしたら恐ろしいほどの体力を消耗するだろう。
要は、【いつ】・【どれくらい】集中するのか、そして【リラックス】するのか!その切り替えポイントがラインとなって見えるということだ。皆さんは、演技の勉強をする際、この【ライン】がみえているだろうか?いや、見ようとしているだろうか?

稽古場は、勉強をする者にとって、我々の【スタジオ】と同じ意味があるのではないだろうか?

稽古場の扉を開けて、中に入るとき戦闘モードに切り替わっている人が、多いとは感じられない。

同じ空間でレッスンする人たちとのコミュニケーションは必要なことだし、仲良くなるのは当然だろう。何しろ、趣味嗜好が同じ(似ている)人間の集まりなのだから・・・
だからと言って、ずっと楽しい趣味の会話をしているのはどうだろう?そんな会話は稽古場の外でいくらでもできないか?稽古場の中では、話すべきことがもっと他にあるはずだ!と思えないのか!?

自分なりの【切り替えライン】を、早く作れるようにして欲しい。

【切り替える】は、とても大切なことなのである。

Hはかく語る#07.努力という言葉の意味

簡単に使ってしまうのだが、『努力』という言葉の意味を最近よく考える。 
何故なら、『努力』って、かなり難しいモノだから…教える者としてキチンと整理しておかなければ生徒に申し訳ないと思ったからだ。

努力をし続けられる事を『才能』と呼ぶ。

と、いう言葉を時々使うことがある。

とすると、『努力』するということは、基本的に辛いことなのか?
辛いことを我慢して頑張ることが…『努力』するという事なのだろうか?

確かに、『努・つとめる』には、『力を尽くす・はげむ』という意味がある。
では『力を尽くす』とは?本当に人は、何かを成そうとする時、力を『尽くし』ているのだろうか?

養成所生に『努力』しろとか、まだまだ『努力』が足りない等とか、簡単に口にしてしまう。
その際、生徒は、立場上余り口答えできないので『はい』と返事をするが、本当は彼らなりに『努力』しているのだと思う。

では、何が足りないのだろうか!?

などと、答えが出そうにない事を延々と考え続けるのである。

そして少し気付いたことがある。

また関係各位から反論という名の集中砲火を受けそうだが、恐れずに言うと…『成功している人の中には、努力なんてしていない!と、言える人が何人もいる』ということだ。

彼らにとって、声優になる為に力を尽くすということは、『楽しみ』以外に他ならない事だったはずだ!
だから、そこには苦しみは存在しない、自分が成長していくのを確認する楽しみ・喜びが有っただけだ。

そんな人を 人は『天才』と呼ぶのだろう。

そして、貪欲に楽しみを貪りたい天才達は、その上に『努力』をしようとするから…手に負えない。
そんな先輩達に追い付き、追い越すためには…いくら必死に『努力』しても無駄なのだ!
むしろ『努力』を『努力』と思わず、『楽しむ』ことが一番じゃないのだろうか?
だって、皆 『ゲームをしていて、気づいたら朝になっていた』と、楽しそうに良く話しているじゃないか!!
何事も楽しんでやるのが一番!苦しんでも仕方が無い!!!
その上で、まだ足りないと思ったら、『血を流す覚悟でする』、それが『努力』というものじゃないのだろうか。その覚悟をどれだけの人が持っているのだろうか?

Hはかく語る#06.声優としてのスタンス

 夢・目標など色々な言い方をするが、このブログを読んで下さっている皆さんの多くは、とにかく『声優になる』ために努力をしている人が多いはずだ。
 では、『声優になる』とは、どういう事なのか、冷静に考えた事はありますか?
 『職人技』と言われていた声優という仕事が、現在エンターテインメント化と、IT技術の発展、拡散により、非常に希薄なものとなりつつある。
 そう、誤解を恐れずに言うと、現在は やりたければ誰でも『声優』になれる!と言っても過言ではない時代になってきたのだ。
 自宅録音した音源をネットにアップし多くの人に聞いてもらう、好き勝手にラジオ番組を制作する。これらの行為を行っている人をフリーランスの声優といいます。嫌な言い方をするとネット声優。
 フリーが悪いと言っている訳ではないし、見下しているいる訳でもありません。どんな世界も『玉石混淆』、素晴らしい人はたくさんいます。ですが、それ以上に楽しいからとか、やりたかったから、という軽い気持ちでいる人が多すぎます。
 そして、これらの人達の多くは、『出来るなら・経験が積めるならノーギャラでもやりたい』と、考えてしまいがちです。
 ですが『声優を目指す』なら、キチンとギャランティをいただける『職業』として『声優』を目指して欲しいのです。
 平たく云えば、バイトでは無く、正社員になりましょう!ということです。正社員として多くの責任を抱えながら、仕事を達成していく!そして、職業、いや生業として、演技をし、その対価として報酬をいただく・・・
 そんな風に考えてみて下さい。『声優』という仕事は、人生を賭けるに値する素晴らしい職業だと思います。
 まっ、道のりはとんでもなく険しいですが!

Hはかく語る#05.ダメ出しを下さい

時々、レッスン後に質問をしに来て『ダメ出しを下さい』と言う人がいる。

そういう人(初心者は別として)には、先ずお説教をすることにしている。

『演技者(それを志す人も含む)が人前でする演技はいつでも自信を持ってしなければな
らない』と考えるからです。

『今日の課題に対し、私はこう考え、こう伝えようとして演技しました。そう聞こえましたか?』これが、正しい質問の形式ではないでしょうか?

『私の演技に何処かいけない所は有りますか?』という質問が良い質問だとは思えないですよね、でも『ダメ出しを下さい』というのは、概ねそういう意味の言葉です。

そんな自信のない事では、ダメです。喋る時は絶対の自信を持って喋って下さい。そして、何も言われなかったら、『方向性は間違っていない』ということです。

但しそれで完璧な訳ではないですよね。

そこから、更に読解を深め、キャラの感情の流れを複雑に、そして聞いてくれる人にもっと感情をはっきりと伝える為の努力をして下さい。それが大切だと思います。

ダメ出しを欲しがり、ダメ出しを聞いて安心したがるのは、自信を持って演技していない自分の弱さだと、思ってください。

Hはかく語る#04.大切な事・基礎②

「切り捨てる勇気を持て」と言ったもののそう簡単にいかないことは十分承知している。

【教えられた事の真意】を考えず、上っ面のみを機械的に反復している人を余りにも多く見かけるからだ!

今やっていることは、何を目的とし、何を鍛えているのか!考えているとは思えないやり方をしている。気になって聞いてみると・・・色々な説明をしてくれる(人の受け売り、言葉だけに感じられる)のだが・・・言っていることと、やっていることがどうにも一致しているようには思えない。

声を大にして言いたい!!

『もっと頭を使え!自分の体のことを知れ!自分の事をもっと大切にしろ!!』と。

己の事が分からないで、他人になろうなど、あまりにも無謀な挑戦でる。

【頭脳をフル回転しなさい!】

#03.大切な事・基礎①